集団除霊ってどうやるの?イタコたちの集団除霊を体験レポート

除霊は人に対してだけではなく物などにも行われます。
また、祓うだけではなくその後にその道具をどのように使えるようにするのか、憑いていたものをどうするのかなども大事になります。
今回は複数人での除霊の現場で体験レポートさせていただきました。

今回はどれをみなさんで除霊するんですか?

恵子さん

これよ。何に見える?

漬物石に見えます

Aさん

素直な子だね(笑)普通だと何かひねって考えてくるけども(笑)

恵子さん

この子こういう子なのよ(笑)嘘つけないって分かってるからストレートに言ってくるし

よく考えても漬物石に見えます

Aさん

これね、両手でもってちょうどいいように見えない?持ち上げるのに

そういわれると持った時に持ちやすい感じにも見えますね

恵子さん

落とす時に楽でしょ?振り下ろしたりも

とても不穏ですね

恵子さん

これはね、この石を落として様々な命をうばってきたものなの。と言っても人ではないんだけれども。虫や小動物、その辺をこの石でつぶしていてその命でいろんな呪いや願いをかなえてきたって話だけども

その感じだと恵子さんがけっこう請け負ってるイメージです

Aさん

この石がいろんなものを吸収してその上にいろんなものが絡まってしまってね。その中に小さな子供も取り込まれてしまってて、この石から声が聞こえてつらいって話でね。あちこちを転々として来たんだけども、誰にもどうにもできなくて私のところに来たのよ。子供だけなら私でもいいけどもせっかくの集まりがあるからこうしてみんなで一番いい方向に持っていけないかとおもってね

なるほど……それで皆さんでこの石をどうにかしようと

恵子さん

小さい子供ってなると、できれば次の縁も結べればいいって思うからね。それでこうして集まるついでにみんなでやりましょうかって

今回はこの石をどうするんですか?

恵子さん

普通の石にもどすことが目的ね。で、石は山か川にでも置いてくることにはなると思うけども

邪魔にならならないように見学させていただきます~

除霊のための空間を作るお手伝いをしながら、石に何となく視線を移しました。
30センチほどの石はよく見ればシミのようなものがあり、そのシミが先ほどの説明からするに血液や体液であることは察することができました。

集団といっても普段は単独でやっている除霊を今回は三人でやる部分が集団になります。
今回はまずこの石に張り付いているらしい虫などの念を剥がし、それに絡まっている小さな子供を成仏させることが除霊の流れになります。
恵子さんはじめイタコの皆さんはのんびりと準備をしているのでこれが除霊だと思えないほどです。
除霊に参加しないイタコさんたちもその光景を眺めています。

除霊って前はもっと派手で物々しいものだと思ってたんですよ

陽子さん

意外と静かでしょ?テレビとかだと奇声を上げながら除霊されている風景とかが一時すごく流れたものね。ああいうのはあんまりないけれども、本当に暴れるとあんな感じもなるから一概に嘘とも言えないのよねえ

今も皆さん石をペタペタ触ってる感じですものね

陽子さん

そうねえ、見えないあなたに見えるように説明すると、ああやって撫でまわしてる行為でゆっくりと外側を包んでる虫の怨念を剥がしているのよ。虫くらいだとよほどでなければまだ単純なものだから。問題はあの石は、鳥や兎、子犬なんかもつぶしてるのよね……人ではないけれども人に近いものはつぶしている。それを順番に今ああやって剥がしてる状態なのよ。もう少ししたら部屋の隅の御塩や八角にも変化が出るからそこを見てちゃんと書いておくといいわよ

ありがとうございます。見ることに夢中になってしまうので……

陽子さん

理解のある人を増やしてくれるのはありがたいことよ。今回私は出番がないからねえ。恵子さんの代わりにどんなふうになっているのかを解説できる所はしてあげるわね

嬉しいです~全く見えないので

陽子さん

見えないほうが幸せだと思うわよ。でも、あなたは私たちの事を信じてくれるし、そこにいるといえばいると考えてくれる。そういう人が増えてくれれば嬉しいわね

ですねえ……わからない部分はたくさんありますが学ぶことも多くて

陽子さん

虫の段階が終わったみたいね。今、手に御塩を付けたのは何でかわかる?

なんとかおとしとかそういうやつですか?穢れとか禊とか

陽子さん

そこまで仰々しいものって考えなくてもいいのよ。虫の臭いがひどいから臭いを消しているようなものね。もちろん簡単な落としにはなってるけども。臭いってほら、魚も血の臭いで寄ってくるでしょ?同じで虫の怨念が焼かれる臭いで寄って来る者もいるからね。あの小さな子はそういうものからすればごちそうになってしまうから……臭いを落としながらになってるわね

虫は焼いてるんですか?

陽子さん

Aさんは割と焼いてしまう方なのよ。よくあなたたちが想像する派手な除霊を請け負うことも多い人ね。その代わりに一度大きな仕事を受けたらしばらくは他の依頼を受けずに体力や傷の回復に努めるからあまりこういう集まりに来るのも珍しい人なのよ。簡単な除霊とかならいいんだけども、大幅なものになってくるとAさんは本当に心強いわね。そのAさんの負担を減らすことになったのが恵子さんの登場なのよ

恵子さんは確かに強い系だと思います。なんというかストロング系というか

陽子さん

恵子さんは後天性、事故によって霊能力が目覚めた人だから歴は短くても一気に伸びてきた人なのよ。Aさんのような力業が得意で、Aさんが動けなくなる状態を防げる人なのよね。Aさんも“こんな逸材がいたなんて”って言ったくらいなのよ

恵子さんはその、蹴る殴る刺す斬るなど物理的なダメージを与えていくイメージです。しかし、そうなるとやっぱりチームプレイというか、横のつながりはすごく大切なんですね

陽子さん

特殊な世界だからね。元々の資質と修行や訓練、気持ちの強さ、何かを否定しない心とか普段ならばそこまで考えなくていいものを考える必要がでてくるのよ。とくに、情が深すぎる人は霊的な存在に寄りすぎてしまってイタコや霊媒師を続けることが難しい人もいるわね。どこかで割り切り、還すべき場所に還すということを考えないといけないからね

切ないことも多いお仕事ですよね……

陽子さん

ネズミ剥がしに入ったわよ。ここからは少し時間がかかるわね。虫よりも考える力が大きくて子供を産むでしょ?鳥も卵ではあるけれども、鳥は場所を移動することでいろんなものを運んでいくからネズミと鳥は大体同じくらいになるわね

胎生ってやっぱり違うんですか?

陽子さん

育つ時間が長いものと、へその緒でいろんなものを吸い上げるからそのさいに思いも吸い取ってしまうのよ。これは人もおなじ。だから妊娠中は穏やかに過ごし、きつい言葉は使わないように、って言われる人が多いのよ。まだ何も知らない子供が最初から悪意を吸って悪意の塊にならないように。この石には母ネズミや子供のいるネズミは使ってないみたいだけれども、もしそうだったなら少し大変だったと思うわね。なので呪いっていうものは手間をかければかけるほど精度が増していくのよ

こわいですね……

陽子さん

御塩のほうを見てみて

なんか上のほうが焦げてるように見えます

陽子さん

焦げてるようなにおいは感じた?

いえ……まったく……今言われるまで全然わかりませんでした……

陽子さん

除霊ってこうやって静かに静かに進んでいくのよ。八角も榊も色が変わってきてるでしょ?

あ……なんか腐ってるような枯れてるような……

陽子さん

Aさんは確かに焼いていく人ではあるけども、できるだけ他に移して一瞬でも命を回復させて迷わないように成仏させていく人なのよ。虫ならばそれでなんとか迷わずに飛んでしまうからね。ネズミと鳥はAさんが上手になんとかしてくれるでしょうし

Aさんとも機会があればお話をちゃんとお伺いしたいですね

陽子さん

恵子さんにくっついていれば話を聞く機会も増えるわよ。あと、派手な除霊も見れるかもしれない。でも、派手なものっていうのは安全度は低いからね。かといって今やってるこれも安全なものではないの。普通の霊媒師では難しかったから私たちのところに持ち込まれたんだから。まあ、どうにかできればそれでいいと私は思ってるし

私は昔から恵子さんによくしてもらっていて……でもまったくそういう関係の力ってものがないんですよね

陽子さん

でも、あなたの周りにはそういう人が多く寄ってくるでしょ?

ですね

陽子さん

あなたがそういうものを否定しないからね。まず否定する人が多いから

すごいねえ、大変だねえ、ってはなりますね

陽子さん

今度は恵子さんが箱を取り出したわね

あれは何か入れるんですか?

陽子さん

いまからあの箱に一時的に子供さんを隠しておくみたいね。先に石のほうを全部片づけていくみたい。あの箱はBさんの家の樹で作られたものね。Bさんはすごく道具を作るのがうまい人でね。私たちもよくお願いしてるのよ

あの箱、釘がないですね?

陽子さん

よく気が付いたわね。Bさんは枠の形を組み合わせて箱を作っていくの。樹だけで作られているから邪魔になるものが一切ない。すごく大変だけども凄くありがたい箱なのよ。恵子さんもお世話になってると思うわよ。神棚とかも樹だけつくってくれるから

ほへえ……芸術品ですねえ

陽子さん

あなたの感想はすごく良いものね、ねえ、Bさん

Bさん

嬉しいねえ。よくわからないとか言われることが多いから。これなんかもおなじで樹だけで作ってあるのよ

Bさんがこたつの上に出したのは星をいくつか重ねたような形の木細工に見えました。
木目や樹の流れが見えるものであり、表面もでこぼこしたところはなく一枚の板に彫刻刀で溝を掘ったようにすら見えました。

これも何かに使うものですか?

Bさん

これをもっとちゃんとして、いろんなものを詰めれば魔除けの木札になるわね。でもこういうのはお店や宿とかに飾ることが多いのよ。この形ではなくとも見たことあるでしょ?酒屋の杉玉なんかも新酒の合図でもあるけども、あれも一つの魔除けやお酒の精なんかを呼ぶものとも言われているわね

杉玉は見ますね。あれも凄い丸くてどうやって作ってるんだろうって思います

Bさん

そこで、変なのって言わないのねあなた

あの丸いものはすごいですよね。球体は作るのが大変なのは知ってるので

Bさん

少し彫刻をしてたのね。ならこれもそれなりに大変だってわかってくれるのはありがたいわね。これくらいだとそうでもないけども、箱を作るのはそれなりに手間がかかるからね

いろんな形で皆さん協力しているんですね

陽子さん

子供さんは箱に入ったみたいね

どうなるんだろう……

陽子さん

あとは一番深い犬と猫ね。それが終われば石はただの石になる。禍石なんてよばれなくなるわね

石は捨てるんですか?

陽子さん

山か川に還してあげるんじゃないかしらね。その辺に置いておくのもあれだし

ほへえ……ただの石っていうのもすごいですが……

陽子さん

御塩をもう一回見てみて

ほとんど真っ黒になってます……

陽子さん

犬や猫だとこれくらい真っ黒になるわね。今回は少し御塩が多めに置かれていたのもこれなら納得ねえ

あの塩の中も真っ黒なんですかね?

陽子さん

内側から変わっていくからね。表面まであんな風に変わってるのはあの中にいろんなものを吸い取ったことが目視できるようになってる状態ね。逆に拮抗してると変化はないことが多いわね。私たちがこうやって確認できるというよりも、Aさんと恵子さんがここまで終わったって確認を言葉を使わずにできるようにしている部分が大きいかな?今回はそうでもないけども、場合によっては言葉を交わせない時もあるからねえ

なるほど……それだと共通認識としても便利ですよね

陽子さん

いろんな状態を想定するのは大事だからね。一番底にいるものがとんでもないものであることも珍しくはない。そのときにも御塩で確認もできるからね

Bさん

終わったみたいね

音とかもほとんどかったですね……

陽子さん

ほとんどの除霊はこうやって静かに行われることが多いのよ。派手なだけじゃなく確実に丁寧に、あるべき形にもどしていく

あの箱はどうするんですか?

陽子さん

Aさん、箱はどうなさるの?

Aさん

私が持って帰って明日にでも供養しますよ。丁度良い日でもあるからね

恵子さん

派手じゃなくて驚いた?

お疲れ様です。いえ、塩とか八角の変化とかが怖かったです

恵子さん

今回は石の中だったからね。これがもし人の中に移ってたらそれになりに騒がしかったかもしれないけども。無事に終わったし、石は私が河原においてくるわ。すぐではないけども

これは何のための石だったんですか?

恵子さん

陽子さんも言ってたけども呪い用ね。独自のやり方で蟲毒をまねたものなんだろうけども、だから余計にいろんなものを引き寄せてしまってそれらが石にもっといろんなものを吸わせて石から出たかったんでしょうね。そうなってたら面倒だけどもこの石は途中からとある家の庭の社に厳重に保管されてしまったからね。ただ、家主さんが何とかしたかったのもあっていろんなところにお願いして私たちに話が来たから

とても迷惑なことを独自にする人がいるんですね

恵子さん

いろんなものが混ざってたからまあ、面倒だけどもまだやりやすいのよ。これがネズミだけとかだったらもっときつかったとは思うけども。石の形や選び方もあるわね。だからそういうことがわかる人はこれがどんな大変なことの手前で止まったのかがわかる

いろいろと怖いことがたくさんです……

Aさん

こういう集まりは少ないけども、私と恵子さんでの除霊とか出張はあるからあなたも今度はそっちにきてみたら?

いえ、私は一般の部なので……

Aさん

盾役ができるって聞いてるから何かあったときにも助かるし

あくまで臨時ですし、一般の部ですので……まだ傷も消えてなくて

Aさん

ずいぶんと好かれたのねえ。あなた動物に好かれる方でしょ

どうなんでしょうか?実家に犬や猫はいましたし、猫はまだいますね

Aさん

同じ感じで好かれてるんだと思うわよ。そんなに気にしなくても大丈夫

はい……

除霊は淡々と終わり、塩や榊は腐ったような状態になっていました。
これは虫などが一時的に食べた痕跡であり、食という部分で生きてることを感じることができれば迷うことなく成仏できるからのようです。
虫であっても丁寧に導くのもイタコの方法の一つらしいです。
恵子さんをはじめイタコの皆さんは命は均等に扱われている印象があります。
イタコをはじめ霊能者や霊媒者は様々な考えがあるので一様には言えませんが、人に寄り添うのはもちろんですが霊的な存在や自然に存在するものにも寄り添い敬うという考えがあると思いました。

今回はいろんなお話もですが驚くことがたくさんで……

恵子さん

こういうこともあるんだって話にはいいでしょ?

本当に淡々と進められててびっくりしました。でも、塩とかの変化がすごく怖くて

恵子さん

だからといって常に盛塩は必要ないんだけどもねえ。普段から意味もなく盛塩して人もいるけども、あれは特にしなくてもいいと思うのよね、Aさんはどう?

Aさん

粗塩じゃないとあんまり効果もないからねえ。普通の食塩じゃなく粗塩使ったほうがいいんだけどもその辺はよくわかってない人も多いわよね

粗塩は何となく聞いたことがあって、やっぱり粗塩なんですね

Aさん

自然のものが残ってるってものなんだけどもねえ。なのでお水とかも命水系を使ったりするほうがいいわけだしね

恵子さん

汲みに行くのは大変だけども、飲むってものじゃないなら長期保存も聞くからね。冬場の雪でお水の場所が封鎖されててもなんとかなるし

Aさん

春になれば雪解けの水がもらえるからね。雪解けの水にはさまざまなエネルギーもあるから、春先にはあなたもお水を飲みにいくといいわよ

そうなんですね…!!雪が解けたら行ってみようと思います

Aさん

山の恵みやエネルギー、自然の力を分けてもらえるからね。口をつけるだけでもいいんだけどもできれば一口二口は飲んでほしいわね

よくある名水とかもそうなんですかね?

Aさん

山の中とかの名水や命って名前の付くお水はその場合が多いわね。ただ、そういうものに限らず山のお水とは有り難いものには変わらないし

恵子さん

そこよねえ。本当にいろんなものから力をお借りして私たちはいろんなことをさせてもらっている。感謝の気持ちを忘れてはいけないわね

すごくためになることばかりでなんといったらいいのか

恵子さん

日々感謝よね

今回もありがとうございました。また、いろんなお話を聞かせていただきたいです

恵子さん

お疲れさま。いつでもどうぞ