見習い魔女と初めてのお仕事

アメリカ在住の魔女、メイさんはお弟子さんがいます。
今回はメイさんに近況やお弟子さんのお話を直撃インタビューさせていただきました。

お久しぶりです~

メイコさん

お久しぶり。あ、フィギュアありがとうね。届いたわよ~すごく喜んでるわよ。キュートを連発してるのよ

※メイさんのお弟子さんは日本で販売されている渡辺直美さんのフィギュアがどうしても欲しかったらしく、筆者が代理購入し恵子さんが荷物を発送する際に一緒に入れていただきました。

よかったです。色もちょうど二色揃ってたので

メイコさん

かんざしもありがとうね。お仕事用の道具にしちゃってるけども、この素敵なプレゼントをくれたお姉さんに必ず会いに行くの!って張り切ってるわ

折れてないならよかったです。私、あまり国際郵便は詳しくないので(笑)でも、かんざしをどうやって仕事道具というか……魔女の道具ですよね?

メイコさん

そうよ。きれいな飾りのついている針状のものなんてうってつけじゃない。しかも東の国からやってきたものだったらあの年代はそれだけでも興奮できるんじゃない?

何とも私にはわからない世界ですね……

メイコさん

おかげで初めての依頼もちゃんと完遂できたわよ。報酬が発生するものを、一人でね

そのお話、お伺いしてもいいですか?

メイコさん

もちろんよ

メイさんのお弟子さんはもともと魔女の才能があるがゆえに、霊障に悩まされていました。
現在では学校にも復帰し、メイさんの指導で魔女の基本的な呪術などを学ばれています。
魔女として大成できる存在ではあるそうですが、メイさんは魔女だけではなく彼女がなりたい方向に向かうことを支持しています。
ここでは仮にサーシャさんとさせていただきますが、サーシャさんは日本のアニメや漫画、文化や歴史などにも興味があるらしくフィギュアやかんざしなどを筆者に都合がつかないかと恵子さんを経由してメイさんから連絡を頂き、このような形になりました。

どのような依頼だったんですか?

メイコさん

サーシャの学校のお友達が巻き込まれていたのよね。内容自体はよくあるネットで拾った画像を書き写して、降霊術まがいをやったようなものね。日本でいうところのこっくりさん感覚かしら

確かに、こっくりさんとかは一度は体験しますよね

メイコさん

クラスメイトから相談されたっていうのを私に話してくれてね。私が仕事に使う花や果実の手入れもあの子がしてくれているから、成長も早いし大きさも不足ないくらいで魔女として大成しそうな予感がしてるわ。それで、あの子も見様見真似で降魔術や魔術の走りみたいのはできるようになってきたから、何かあったらカバーすることにして一度一人でどこまでできるのかを見ようかと思ったのよね

いきなり一人でだとびっくりしますよね

メイコさん

あの子が今まで戦っていたものはもっとひどくもっと大きなものだったから、クラスメイトの降霊術程度なら大丈夫かなって思ったのよね

たしかに、そういわれると納得できますね

メイコさん

もちろん、下準備のチェックは一緒にしたし、何かあったときの対策用のメモも手帳に書いて持たせたわ。その準備の際にあなたにもらったかんざしにタッセルを追加して、身代わりを作れるようにしていたけども

魔女ってなんかいろんな幅があるんですね

メイコさん

魔女は幅広いと思うわよ。占いもだけども、降霊術、降魔術、魔術、どこから初めてどこを伸ばすかにもよるけれども、霊能者で表現できない分野の仕事をするのが魔女かもしれないわね

それで、どんなふうに仕事をしたんですか?

メイコさん

まずはその、問題が起きているお友達に何がとりついているのかを判断してもらったの。取りついていたのはウミヘビの集団みたいなものだったわね。女の子には蛇がとりつきやすいからここまでも予想はしてたの。蛇、土竜、蛾、鳥。このへんだったら一人でも十分対応できるかと思ったのよね。で、この中で一番難易度が高いのは蛇だったんだけども

初級の中の一番難しい奴って感じですかね?

メイコさん

中級の一番下くらいかな(笑)まあ、でも、初めての仕事だし初めて一人で遂行するっていうのはテンションも高くなるし、いい方向に行くものなのよ

なんともいえないですねえ(笑)

メイコさん

もちろん、遠隔透視でどうなってるかは随時見てたし、だめなら遠隔で何とかしようとは思ってたの。才能のある子は実戦で鍛えるのも一つの方法だからね。それで、お友達の様子を見てウミヘビたちを引っ張り出すまでは簡単にできてたわね。次はそのウミヘビを処置するんだけれども、私ならその場でつぶすかけしてしまうんだけども……瓶の中に閉じ込めて持って帰ってきたのよね

そんな簡単にお持ち帰りできるんですか?

メイコさん

かんざしのタッセルを餌にして、かんざしごと瓶の中に閉じこめたのよ。きれいな蜻蛉玉だったから餌にも見えたんでしょうね。こういう機転の速さはすごくいい部分だと思ったわ

臨機応変が可能っていいですよね

メイコさん

で、厳重に蓋をして出られないように持って帰ってきたのよね

ペット感覚なんですかね?

メイコさん

うろこがきれいだったから、が理由だったわね(笑)そのあたりはまだ子供だし、子供の感性ってすごいなあとは思うのよね

ウミヘビたちはどうなったんですか?

メイコさん

どうしたらいいのかを課題にしたのよ。言葉にしづらいなら手紙に書いてもOKって感じで。それで手紙が来たのよ(笑)

どんな内容だったんですか?

メイコさん

まず、ウミヘビの気持ちを予想してたのよ。せっかく出てこれたからもう少しこの世界にいたいと考えると思う、と。これは考えとしてはあってるのよね。その理由は置いておくとして、現存したい。となれば、交渉の余地はある。そして、ウミヘビたちはサーシャよりも現段階では力が弱い。交渉権はこちらに有利である。ここも考えられててちゃんと成長してことを実感できてうれしかったわね

確かに、サーシャさんにいい条件ですよね

メイコさん

つぶして糧にしたり、魔術道具の素材にしたりするのもありなんだけども、最初からそれをさせるのも私も酷かなあって思うところがあったのよね。何よりもあの子は一人の期間が長く、自分よりも長く生きる存在で人ではない存在の話し相手、相談相手がいてもいいかなあってね。反発したり、協力したりしながら一緒に伸びていける可能性を少し信じようかなっておもったのよ

メイさんにしては珍しいですね

メイコさん

おかしな動きをしたら即分解して私が呪術に使うつもりではいたわよ?こういうのは縁と相性があるから

それで、どうしたんですか?

メイコさん

仕事としては完遂してるのよ。依頼は“憑りついている何かをなんとかしてほしい”であり“憑りついているものをどうするのかはこちらの自由”だからね。なのでこの試験自体は問題なく合格。ここからは追加問題になるわね

いわゆる調伏ですか?

メイコさん

そうね。使えるようになればいいけども、最初からは難しいだろうし。まずは上手に契約をできるようにの練習にもなるし、契約できない際には処置の練習にもなる。魔女にしろ、霊能者にしろ、シャーマンにしろ、痛い目にあいながら成長していくことが基本だからね

なるほど……それでどうなったんですか?

メイコさん

本人に決めさせたのよ。そしたら“契約したい”と

でしょうね

メイコさん

でもそれからが大変だったのよ。学校から帰ってここにきて、魔女の勉強をしながら合間に瓶の中のウミヘビと契約を結ぼうとするんだけども、威嚇ではなく攻撃してくるのよね。まあ、あちらからすればいくら能力が高くても明らかな子供に使われるのはプライドが許さないだろうし

メイさんから見て、ウミヘビの強さはどうだったんですか?

メイコさん

いい質問ね。私から見て、そこそこいいものだと思えたのよ。本当に使えないなら瓶の中に入れた時点で消滅してるからね。かつ、ウミヘビとは言ってるけれども様々なものの思念の融合物が蛇の形を成してるものだったから玉石混合がいい方向にむかったのよ

だと、手ごたえも歯ごたえもあるという感じですね

メイコさん

いずれね、自分の感情を無視して消滅させなきゃいけない事案とかは出てくるわ。でもそれはまだ先でいいの。まずはそういう人以外のものと接する際のリスクやデメリットを体験しないと。そのうえで人とは違う仕事や生活があることを理解していく。魔女だから何をやってもいいわけじゃないのよ

何事も修行は大変なんですね

メイコさん

才能があるほどにね。だからこそ、いい機会だったのよ

ほへー……

メイコさん

期限は1週間以内。契約が無理だと思ったら自分の手で消滅をさせる。これが私の出した追試ね

厳しいですね……自分の手で消滅って……

メイコさん

魔女や呪術師は命を扱うこともある。命を奪うこともある。それは最初に理解するべきことでもあるのよ

決められた期限の中で、どうにか契約を結べないかを試行錯誤していく。
修行はどの仕事も大変であり、それは魔女であっても例外ではない。
感じたのは中世の西洋医学の近いのでは?という部分でした。

どうなったんですか?

メイコさん

日に日に両腕が傷だらけになっていてね。相手が蛇だから締め付けて来たり、噛まれたりもするのよね。体のほうに傷が出るってことはほかでもダメージが出てきてるのよ。期限前にリミットかなと思ってたんだけれども……本当に根気の説得で契約したのよね。力業ではなく、毎晩毎晩、ウミヘビたちに話しかけて。学校のことや自分が見えることで受けた辛いこと、できれば持っている力をちゃんと使えるようになりたいこと、まだ、契約ができる存在がいないこと。それをずっとウミヘビたちに語り続けた

すごく大変な目にあってましたものね……

メイコさん

ウミヘビといっても中にはもちろん人だった者もいるのよ。人だったものが蛇に窶しているのだもの。あの子の話を完全に無視できるのかも見たい部分だったのよ

人の形でなくなっても存在したい、というのは強いですよね

メイコさん

期限の前に、ウミヘビたちが折れたわ。折れたというか、この子にかけてみようと思ったんじゃなのかしらね。いまは低級であってもこの子の力が本物であり、育っていくならば相応に自分たちも神化する可能性がある。蛇は打算と計算をする姿、嫉妬をする姿でもある。なんの計算もなしには契約はしない。それでも、納得して折れた。これはどうあっても変わらない事実なのよ

じゃあ、サーシャさんも喜んで……

メイコさん

大はしゃぎしながら見せてくれたわね。それで、庭の手入れをしてもらってる間に私もウミヘビたちと話をしたのよ。当然ながら賢い連中だから私のほうが現段階ではあの子よりも強く、能力の使い方もできることも理解はできている。それで、なぜ契約に応じたのか聞いたのよ

どうしてだったんですか?

メイコさん

とてもきれいな鱗だと、最初に言われたからだったのよ。人外になれば美しいといわれることはほとんどなくなる。その中で、きれいな鱗、と掛け値なしに最初に言われたことが気に入った、とね

サーシャさんらしいですねえ……少し前にスカイプで話した時も凄くいい子でしたし

メイコさん

不思議な契約の仕方よねえ。どっちにしてもあの子の最初の大仕事は無事に終わったのよ。今回はいい方向に行ったけれども、いつもそうなるとは限らない。どれだけ相手に同情することがあっても消滅こそが最適なこともある。それを覚えていくにも、ウミヘビたちは様々な話をきっとするでしょうね。とかく、おしゃべりだもの

契約するとどうなるんですか?

メイコさん

簡単に言うと持ち歩けるようになるわね。でも瓶をいつも持ち歩くわけにもいかないから、あなたにもらったかんざしの蜻蛉玉の中に入れることにしたのよ。丁度いい色だったし

そういえば、水色というかクリアブルーに水泡が入ってるやつでしたね。中に星も入っていて

メイコさん

偶然だとは思うけども、星や月を選んでくれたのはありがたかったわ。ああいうのも大事だからね。それでその中に入れてコンパクトに持ち歩いてるのよ

かんざしは何本か入れましたからね

メイコさん

かんざしを入れ物にするのも、あの子には悪くないと思うのよ。本人も“日本に行って自分で選んでみたい!”っていってるし。まあ、まだまだそういう情勢じゃないけれども落ち着いたら二人で日本に行きたいわね

初めての契約がいい方向にいってよかったですね

メイコさん

本当にね。最初から厳しい選択はさせたくないっていうのもあるのよ、師としては

ですねえ。どんな職業でも最初からつらいと続かないですからね

メイコさん

成功は自信にもつながるからね。相変わらず育ててるものは巨大化したり成長具合が不思議な感じにはなってはいるけれども

サーシャさんがいい方向に向かってるならいい気はします(笑)

メイコさん

学校とかでもね、授業に集中できるようになってるのよ。ウミヘビたちが雑音は餌にしてしまってるから。授業にも集中できる、しっかりと睡眠もとれる、ウミヘビも育つ。初歩としてはいい環境だと思ってる

私にはあまりよくわからない世界ではありますが

メイコさん

楽しい世界よ。魔女の世界は

一般の部のものです(笑)

メイコさん

こっちもだけども日本も結構色々おきてるでしょ?地震とか

そうですね。そこそこの大きさのものが増えてきてる感じはします

メイコさん

疫病で人が不安になって、その不安に反応した連中が悪さして内部を動かしてる気もするのよねえ。かといって、こちらからどうにかできるものでもないし……なんともいえないのよね

メイさんはこういう疫病って予想してました?

メイコさん

まったく。ただ、周りに病気が増えるっぽいなあというのはわかってた。その病気がこれだとは思わなかったけども……未知の病気なんて予知では難しいからそれこそ預言者とか、降霊術師でもハイランクの人が神降ろしでもしない限りわからなかったんじゃないかしらね。サーシャも“先生、なんか怖いことが起こりそうだね”くらいには感じてたけれどもこんな情勢は想定してなかった。こんなのを完全に予知できる人はいなかったんじゃないかしら……未知の病気をどう表現するのか、未知の恐怖が病気であることを想像できるのか?何かが起きるまではわかっても歴史にないものって想定できない気はするわねえ

やっぱり皆さん同じ感じなんですねえ。恵子さんも、こんな大規模なものは想定できない。できるならそれこそ預言者の範囲だって

メイコさん

それは間違ってないわね。特定の人に何が起きるかはみえてもそれが町一つとかになれば難易度は上がる。魔女狩り時代にあった“船が沈む”なんかもそれよね。実際に沈めば魔女狩りにあい、沈まなくていいように航路の変更や出航日の変更を伝え、ほかの船が沈めばやはり魔女だと燃やされてしまう。そういう歴史があると大きなものの予言をする人っていうのは次第に減ってくるのよね。魔女はもちろんだけども、呪術師や降霊術師、祈祷師なんかもみんな迫害される歴史があるのよ。今はそんなこともないけれども時代っていうのはまた繰り返すから気を付けるに越したことはない。大規模な予言者がここ数十年で出なくなったのはそういうものもあるとは思うわよ。今回のこういう世界規模のことは漠然と大きな災いが起きる、まではわかってもそれが何なのかはわからないっていう霊能者がほとんどじゃないかと思うわね

納得しました。確かに見えないものの表現って難しいし、それがましてや未知の病気とかだとどう伝えたらいいのかわからないですよね

メイコさん

みんな疑問に持って当然だとは思うわ。これだけ怖いものをどうして霊能者や予知能力のある連中は当てなかった!お前らの能力は偽物だ!って言いたい気持ちもわかる。漠然とした恐怖を表すことができない、先に感じる言いようのない恐怖の正体がわからないと言うものをそうじゃない人たちが理解できないのと同じだと思ってるわ。どっちも悪くなくどっちも正しくもない、どちらも知らない事に対する感覚が違うだけなのよ

責めるとかは、自分はないですねえ

メイコさん

それでもね、私はきっとなんとかなるって思ってる。なんとかなってまた日本に帰国することもできるようになるし、この経験で魔女やほかの霊的な職業を選ぶ人たちが増えるって思ってる。大きな恐怖を体験した次世代の存在も生まれると思うわよ

サーシャさんもそこに入りますね

メイコさん

そうね。私は魔女に進んでほしいけども本人の意思が一番大事よ

時々でいいので、サーシャさんの修行具合とか今後も聞かせていただけますか?

メイコさん

もちろんよ。あの子も“日本に行ってこれを送ってくれた友人に会わなきゃ!”っていってるから

きっと、近い未来に会えますね(笑)

メイコさん

そうね。きっとそうなる。それでいいのよ

今回もありがとうございました。お疲れさまでした、おやすみなさい

メイコさん

またね